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太陽を抱く月のソルの死!叶わなくとも命を懸けて貫く愛!その背景にあった悲しすぎる思いやりとは!?

まりこ
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太陽を抱く月のソルの死!
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まりこ
アラフォーのフリーランス。 
冬ソナブームの頃には興味がなかった韓ドラにハマって数年。

時代劇が好き。
そして復讐ドロドロ系にツッコミを入れたり、ラブロマンスにときめいたりの毎日です。

読み書きは今ひとつの耳だけハングルなので、最初に覚えた韓国語は、
「~씨(~ッシ)」「아이고(アイゴー)」「어머(オモ)」の3つ。

連絡先:whitelife112226@gmail.com
詳しいプロフィールはこちら

出典:https://program.imbc.com/sunNmoon

ドラマ「太陽を抱く月」で”三大悲恋”といえば、ヤンミョン(陽明)君ボギョン、そしてソルではないでしょうか。(ウンの恋心は、雲の中に……)

 

叶わぬ想いに傷つき、胸を痛め、最期のときを迎える…

 

今回取り上げるのは、恋の炎に身を焦がすしかなかったソル
(子役:ソジヒさん、成人:ユンスンアさん)

 

 

彼女の恋心と、原作に何度も描かれる“運命を予言するセリフ”、そして死の場面を詳しく解説します。

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太陽を抱く月のソルの死!~生い立ちと運命編~

出典:https://program.imbc.com/sunNmoon

最初に、彼女の運命を告げるような名前”ソル”からお話します。

 

「太陽を抱く月」公式サイトの人物設定では、

相関図とキャストの記事でも言及)

 

「과거 허씨 가문의 노비.」

  • 許(ホ)家の元奴婢

 

「본명은 이 년. 현재 이름은 설(雪).」

  • もとの名前はイニョン(てめえ)
  • 今の名前はソル(雪)

 

「연우를 호위하는 보이시한 느낌의 소녀 검객.」

  • 煙雨(ヨヌ)を護衛するボーイッシュな少女の剣士

 

「‘설’ 이라는 예쁜 이름을 지어준 도련님 ‘염’을 오랫동안 짝사랑하고 있다.」

  • ソル(雪)という美しい名前をつけてくれた若様ヨム(炎)に、ずっと片思いをしている

と掲載されています。

 

雪(ソル)が恋する相手は、炎(ヨム)

近づきすぎると、溶けて消えてしまう運命なのです。

※ドラマでの話は「ソル」「ヨム」として、原作での話は「雪(ソル)」「炎(ヨム)」として、区別して記載します

 

雪(ソル)と炎(ヨム)の出会い

雲(ウン)が、「ひょっとしたら月(ウォル)が煙雨(ヨヌ)なのでは?」と思いはじめた頃の話です。

 

友人・炎(ヨム)に、亡き妹・煙雨(ヨヌ)の小間使いだった少女について尋ねる場面

悲しみを伴う昔話として、炎(ヨム)が口を開きます。

 

『そういえば、私があの子の名前をソルに変えたのでした。』

 

『初めてこの屋敷に来た時、あの子の名前は、たしか「てめえ(イニョン)」でした。

いいかげんに呼ばれているうちに、それが名前になってしまったのでしょう。』

出典:「太陽を抱く月」 チョン・ウングォル著

 

同じことをソルの記憶として、語る場面。

 

『身じろぎもせず自分を見ている女の子を不思議に思ったヨムは、机の上の干し柿の皿を見た。

彼はにこっとすると、干し柿をひとつ取って女の子の方に行った。

「てめえ(イニョン)」は近づいてくる美しい若様の微笑に酔ったように、さらに気が遠くなった。』

出典:「太陽を抱く月」 チョン・ウングォル著

(中略)

『今度新しく来た子か?名前は?』

『名前を言いかけて口をつぐんだ。「てめえ(イニョン)」なんて、とても言えない。』

出典:「太陽を抱く月」 チョン・ウングォル著

(中略)

『これからてめえの名前は「雪(ソル)」だ。』

 

『てめえはもともと、お嬢様のお世話をするために買われて来たんだ。

だがてめえの名前がお嬢様に良くないって、若様がソルに変えてくれたんだよ。』

出典:「太陽を抱く月」 チョン・ウングォル著

(中略)

『ソルはもう一度ヨヌを見た。

初めて会ったヨヌだが、ソルにとってはすでに「自分がお仕えするお嬢様」というより、「自分に名前らしい名前をつけてくれた若様の妹」だった。』

出典:「太陽を抱く月」 チョン・ウングォル著

 

このように、許(ホ)家の人々にとってはあたりまえでも、「てめえ(イニョン)」と呼ばれていた雪(ソル)にとって“初めて人として温かく接してくれた”のが、若様・炎(ヨム)だったのです。

 

護衛剣士・雪(ソル)の誕生

ドラマでも、原作小説でも、単に煙雨(ヨヌ)の小間使いではなく、剣を手に護衛する雪(ソル)

彼女は、いつから剣の稽古を始めたのでしょう?

 

ウンの恋心でも触れましたが、幼少期に雲(ウン)の剣術稽古に、陽明(ヤンミョン)君と炎(ヨム)がつきあうくらい仲の良い3人でした。

 

その後、雲(ウン)が師匠パク・ヒョウンから学んだ剣術を2人に教えるようになります。

 

雲(ウン)が、月(ウォル)が誰かに似ている気がする…と記憶をたどるとき、

 

『いつの頃からか、稽古を教わる子どもが一人増えた。

姿を見たことはないが気配を感じるので、ヨムに尋ねた記憶がある。』

 

『のぞき見していた女の子は、ヨヌの小間使いということだった。』

 

『しかも見物するだけでなく、ヨムの木刀を拝借してひとりで練習していると聞いたことがあった。』

出典:「太陽を抱く月」 チョン・ウングォル著

 

月(ウォル)のそばに仕える女性に、思い当たることがある雲(ウン)

『おまえの剣は、おれの師の剣と同じとは言えないが、しかしどこか似たところがある。』

出典:「太陽を抱く月」 チョン・ウングォル著

 

雪(ソル)の剣さばきを確かめます。

 

師から学んだ剣術を陽明(ヤンミョン)君と炎(ヨム)に教えるときに、盗み見して覚えたのが雪(ソル)。

見よう見まねで我流なので、“同じではないが、似ている”のですね。

 

そもそも、煙雨(ヨヌ)の小間使いなので、雪(ソル)は剣を手にする必要はありません。

そんな彼女が、盗み見までして剣術稽古をした理由(わけ)…それは、ほのかな恋心の表れでした。

 

『おつかいの途中、舎廊棟(サランチェ)の花壇の上に置いてある木刀を見つけた。

(中略)

柄(つか)にヨムの手のあとがついていた。

その瞬間、ソルの目には、木刀は影も形もなくなり、ただ若様の手のあとだけが見えた。』

出典:「太陽を抱く月」 チョン・ウングォル著

 

こっそり、炎(ヨム)の木刀を自分の宝物にした雪(ソル)。

 

大好きな炎(ヨム)の稽古を盗み見。

その後、宝物の木刀を握って炎(ヨム)の真似をする。

そんなふうにして、雪(ソル)は剣術を覚えていったのでした。

 

悲しい予言

「太陽を抱く月」の原作小説には、たびたび雪(ソル)の行く末を予言するようなセリフが見られます。

 

こっそり炎(ヨム)の木刀で、剣の稽古をしていた雪(ソル)。

『「うまいんだな」ヨムの声だった。』

『あ、あたしも剣術が好きで……習いたくて……』

出典:「太陽を抱く月」 チョン・ウングォル著

 

木刀を盗んだことを叱られると思った雪(ソル)は、震えながら言い訳します。

炎(ヨム)は叱るどころか、優しく雪(ソル)の頭を撫で、こう言うのです。

 

『ソルだったね?女人(ヨイン)が剣をとると、その運命が悲しくなるという。

だから遊びでも剣なんか持っちゃいけない』

出典:「太陽を抱く月」 チョン・ウングォル著

 

数え年9歳の雪(ソル)に対して、身分違いの恋に身を焦がすと、その先に待つ運命は悲しいことを予感させる炎(ヨム)のセリフです。

 

ほかにも、

都を離れていた星宿庁(ソンスチョン)の張(チャン)氏が、ふたたび都巫女(トムニョ)の地位に戻る前、雪(ソル)に言い聞かせる場面。

『都に行ってもな……儀賓(ウィビン)*の屋敷に行くんじゃないぞ。

絶対に!禁忌を破れば、必ずその報いを受けることになる』

*儀賓(ウィビン):旼花(ミナ)公主と結婚した炎(ヨム)のこと

出典:「太陽を抱く月」 チョン・ウングォル著

 

凍るような寒い日、旼花(ミナ)公主のために雪かきをする炎(ヨム)

裏庭で人の気配を感じた彼の前に現れたのが雪(ソル)でした。

 

雪(ソル)の頭の中では、

『禁忌を破れば、必ず相応の対価を払うことになる!』

出典:「太陽を抱く月」 チョン・ウングォル著

という張(チャン)氏・都巫女(トムニョ)の声がこだまします。

 

それでも、炎(ヨム)が自分のことを覚えていてくれた喜びの方が大きく、しばらく言葉を交わす雪(ソル)。

 

幸せな時間はほんのわずかでした。

2人の声に旼花(ミナ)公主が出てきたため、慌てて雪(ソル)は身を隠します。

 

『雪が火花のそばに行ったらどうなる?』

出典:「太陽を抱く月」 チョン・ウングォル著

 

「公主=王女」と「奴婢」、あまりの身分の差に、隠れるしかない自分の生まれを嘆き悲しむ雪(ソル)の頭の中で、ふたたび張(チャン)氏の声がこだまするのです。

 

そして、運命の日!!

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太陽を抱く月のソルの死~運命の時編~

出典:https://program.imbc.com/sunNmoon

張(チャン)氏は、くり返しくり返し、雪(ソル)に念を押します。

 

『ソル!祈恩祭の日、お前はここにいるんだよ。

北村(プクチョン)*にはどうか行かないでおくれ』

*北村(プクチョン):儀賓(ウィビン)=炎(ヨム)の屋敷がある場所

出典:「太陽を抱く月」 チョン・ウングォル著

 

『最後の頼みだよ。北村(プクチョン)にはどうか……行かないでおくれ』

出典:「太陽を抱く月」 チョン・ウングォル著

 

霊力の強い張(チャン)氏は、雪(ソル)の運命をみて、何とか彼女を生かそうとします。

しかし、雪(ソル)は、

『あたし……行かなきゃ。行かなかったら自分が死にそうな気がする……』

 

『行っちゃだめだ。火花が熱いことが、なぜわからない?』

 

『火花が熱いことがわからない馬鹿がどこにいるの?

溶けてしまうのが恐ろしくて近づけない雪に過ぎない、ってことを知らないだけよ』

出典:「太陽を抱く月」 チョン・ウングォル著

 

曇りのない笑顔で張(チャン)氏に答える雪(ソル)。

笑い声を残して、去っていく雪(ソル)。

『笑って行くんじゃない。自分の運命をなんてむごいことにするんだ。ひどい娘だ』

出典:「太陽を抱く月」 チョン・ウングォル著

 

死を覚悟して炎(ヨム)のもとへ行く雪(ソル)を見送ることしかできず、張(チャン)氏は嘆くのです。

 

ソルの死(ドラマ版)

出典:https://program.imbc.com/sunNmoon

 

妹・ヨヌの死に、妻であるミナ公主が関わっていたことを知ったヨム。

王女に助けられたホ家の嫡男という感謝の念から、ようやく夫としての愛を感じはじめたというのに…

 

しかも、ミナ公主のお腹には2人の赤ちゃんが!

ミナ公主を遠ざけたものの、彼女を憎むことも、許すこともできず一人苦悩するヨム。

 

屋敷には、ヤンミョン(陽明)君を次期国王に擁立しようとするユン・デヒョンによって、差し向けられた刺客たちが忍び寄る。

 

フォンの学問の師でもあったヨム。

勉強に関して非の打ち所がない彼も、剣の腕だけは如何ともしがたく…

(幼少期、ウンを相手に稽古するヨムの腕前は、なかなかのように見えるのですが)

 

 

オロオロするばかりのヨムの前に現れたのが、ソル!

幼いころから慕うヨムを守りたい一心で、身を挺して彼を守ります。

 

剣士とはいえ、ソルは女性。

おまけに多勢に無勢。

力尽きる寸前で、風のように現れたのがウン!

 

友であり、主君フォンにとってもかけがえのないヨムを守ります。

 

ただ…

 

刺客の刃に倒れたソルは、ヨヌが生きていることを伝えて、ヨムの腕の中で死を迎えるのでした。

※動画はこちら

このときのヨムの行動(うろたえる・剣を手にすることがない・ソルに守ってもらう)に疑問を感じた方もいらっしゃるかもしれません。

 

この場面、原作版「太陽を抱く月」ではどのように描かれているのでしょう?

 

ソルの死(原作版)


原作小説の中では、ソルの死までさまざまな伏線が敷かれています。

 

①炎(ヨム)の剣術

『ヨムがため息をついて、自分より(ソルの方が剣術が)うまいんだよと愚痴を言ったのを思い出した。

学問と違って剣術はからきしのヨムだったので、陽明君が、おまえにくらべりゃ誰だってうまいさ、とからかった記憶までまざまざと思い出した。』

出典:「太陽を抱く月」 チョン・ウングォル著

 

 

②死を覚悟して炎(ヨム)のもとへ

『ソルはぱっと立ち上がると、力をこめて言った。「あたし、自分の主人*の所に戻る」』

※主人:若様=炎(ヨム)のこと

出典:「太陽を抱く月」 チョン・ウングォル著

 

こう言い残し、張(チャン)氏の最後のお願いも振りきって、炎(ヨム)の住まいへ向かう雪(ソル)!

 

男装*の雪(ソル)に炎(ヨム)が尋ねます。

 

『なぜここに剣を持って?それに、その身なりはどうしたのだ?』

出典:「太陽を抱く月」 チョン・ウングォル著

*男装:ドラマでは日ごろから男装剣士のようなソルですが、原作ではチマ(スカート)に剣を隠しており、最後の場面で男装して炎(ヨム)の前に現れます

 

『別に……。遠い旅に出る前に、若様にお会いしたかったんです。これが最後のご挨拶です。』

出典:「太陽を抱く月」 チョン・ウングォル著

 

 

③炎(ヨム)への思いやり

祈恩祭が始まるより早く、刺客が炎(ヨム)と旼花(ミナ)公主の元へ。

それに気づいた雪(ソル)は、炎(ヨム)の気を失わせます。

 

そして、炎(ヨム)を旼花(ミナ)公主とお付きの尚宮(サングン)に託し、決して外に出ないよう言い含めるのです。

 

 

旼花(ミナ)公主に、身元をたずねられた雪(ソル)

『ホ・ヨムはあたしのたったひとりのご主人様です』

 

『もうひとつお願いがあります。

もしもあたしに何かあったら……ご主人様がお目覚めになる前に片付けてください。

そして、あたしを見なかったことにしてください』

出典:「太陽を抱く月」 チョン・ウングォル著

 

こうして炎(ヨム)は、自分の命がかつて許(ホ)家の奴婢だった”雪(ソル)に助けられたことを知らないまま”、一晩過ごします。

 

④雪(ソル)の死闘

文字どおり孤軍奮闘する雪(ソル)

同じころ、張(チャン)氏は景福宮(キョンボックン)で祈恩祭をとり行っていました。

(ここへ、陽明君を擁したユン・デヒョンの反乱軍が向かっている

 

『長い白布が、張(チャン)氏が回るのについて回って石畳に落ちるように、赤い血しぶきもソルの身について回って地面に散った。』

 

 

『もしかしてヨムが血痕を見てしまわないだろうか。

取るに足らない小さな物すら同情心を持つ彼が、ソルの血だと気づいて心の片隅でも痛めたらどうしよう。』

 

『一生微笑んで生きて行って欲しい彼が、一瞬でも笑顔を捨てたらどうしよう。』

 

『ソルの心配がおさまった。おだやかな心が訪れた。

もうすぐ雨が降ると張(チャン)氏・都巫女(トムニョ)が言った。

きっとその雨が庭の血痕をきれいに洗い流してくれるだろうと思うと、微笑が戻って来た。』

 

 

『彼とともに、彼が愛する女人まで守りたかった。それがヨムを完全に守る方法だった。』

出典:「太陽を抱く月」 チョン・ウングォル著

 

満身創痍(まんしんそうい)で、なおも闘い抜く雪(ソル)

彼女は最後まで、炎(ヨム)の微笑を思い浮かべながら剣を持ち続けます!

 

 

⑤雪(ソル)の死

すべての刺客を倒した雪(ソル)!

『最後の力をふりしぼったソルの動きが止まった。』

 

『ソルの耳に、ヨムが最後に言った声が聞こえた。

「私はおまえに悪いことばかりしたな」』

 

『だんだん顔がうなだれていくソルの耳に、遠い昔に聞こえたヨムのやさしい言葉がまた聞こえた。

 「女人(ヨイン)が剣をとると、その運命が悲しくなるという。だから遊びでも剣を取ってはいけないよ」』

 

『短い人生だったけど……あたしは剣を取った今が一番幸せです』

出典:「太陽を抱く月」 チョン・ウングォル著

 

雪(ソル)の死を感じとった張(チャン)氏は、祭礼のなか微笑を浮かべ、涙をこぼします。

『雨かと思ったら雪だったね。火花を胸に抱いて行くもんだから、雨みたいに降っちまって』

出典:「太陽を抱く月」 チョン・ウングォル著

 

⑥翌日

目を覚ました炎(ヨム)

『下人たちがなぜか忙しく立ち働いている。

実は、血の海だった昨夜の地面は雨水に洗われ、その上に別の土をかけたので、もう血の痕は見えない。』

 

『だがヨムは何かいつもと違う感じがした。』

 

『踏み石の下に、怪しい血痕があった。まるで一点、筆で散らしたように。』

出典:「太陽を抱く月」 チョン・ウングォル著

 

幸い(?)前夜の景福宮(キョンボックン)での戦いについて知らされた炎(ヨム)は、血痕どころではなく、母・申(シン)氏の身を案じて宮殿へと急ぎ向かいます。

 

⑦真実を知るとき

数年後…

 

王子*のご学友となった我が子・ウィを迎えにきた炎(ヨム)

*国王・暄(フォン)と王妃・煙雨(ヨヌ)の子

 

見知らぬ巫女に声をかけられます。

 

『私に何か用か?』

 

『ソル姉さん……』

 

『ソルは元気か?』

 

『ソル姉さんがね、しょっちゅうあたいに言うんだ。毎日おんなじ事を……』

 

『一緒にいるのか?』

出典:「太陽を抱く月」 チョン・ウングォル著

出典:https://program.imbc.com/sunNmoon

注:ドラマ「太陽を抱く月」では、ヨムはソルの死を知っています

 

チャンシルに声をかけられた炎(ヨム)は、いつかの夜を最後に消息を絶った雪(ソル)のことを尋ねます。

 

『お幸せかしら?……お幸せかしら?幸せじゃないといけないのに……。お幸せじゃないといけないのに……』

出典:「太陽を抱く月」 チョン・ウングォル著

 

謎めいた彼女の言葉に、不安がよぎる炎(ヨム)

 

空から降る雪を眺めながら、王妃・煙雨(ヨヌ)に「昔のことなのですが…」と尋ねます。

 

『ソル……という娘は今どこにいますか?』

 

『ご存じなかったのですか』

出典:「太陽を抱く月」 チョン・ウングォル著

 

涙ながらに語る煙雨(ヨヌ)の話で、あの日の真実を知る炎(ヨム)でした。

 

このように、原作小説では幼い頃から“悲しい運命”の暗示があちらこちらに見られます。

 

最後は、自分の命より炎(ヨム)への愛を選んだ雪(ソル)が、溶けてこの世から消えていくのです。

 

続いて、ドラマ・原作両面で描かれた、ソルの死の感想をお伝えします

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太陽を抱く月のソルの死~感想編~


報われることのない愛。

その愛に人生を捧げたソル。

 

 

ドラマでも、原作でも、その死はとても胸が痛みます。

 

個人的には原作版の方が、雪(ソル)が炎(ヨム)へ思いを打ち明ける場面や、死の間際にそのことを思い出す場面など、幾重にも感情を揺さぶられる描写があり、いっそう悲しみが深くなりました。

 

霊力の強い張(チャン)氏が、何度も何度も念押しして、雪(ソル)の運命を変えようとするのですが…

 

座して炎(ヨム)の危険を見過ごすことなどできない彼女は、まるで”悲劇”を喜んで受け入れるかのように、笑って遠くへ旅立つ覚悟を決めるんですよね。

 

迷いも翳り(かげり)もない雪(ソル)の笑顔に、運命を知っている張(チャン)氏も、運命を知らない炎(ヨム)もハッとする…

まるで、雪景色のなかに咲く赤い椿が、ポトリと落ちるのを知っているかのよう…

 

 

陽明(ヤンミョン)君、宝鏡(ボギョン)とはまた違う、しんみりとした哀れみを感じる死です。

 

ドラマと原作での、ソルの死の最も大きな違いは、

  • 愛する男性(ひと)の胸で亡くなるソル
  • 愛する男性(ひと)の幸せを願い、死の痕跡すら残さない雪(ソル)

と言えるかもしれません。

 

最後にソルの死についてまとめつつ、「太陽を抱く月」関連記事を紹介します。

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太陽を抱く月のソルの死~まとめ~

この記事では、「太陽を抱く月」のドラマ版・原作小説版、その両方に描かれたソルの死について、詳しくお伝えしました。

 

決して、炎(ヨム)と一緒になることの叶わない雪(ソル)。

彼女は、名前のとおり愛の炎で溶け、遠いところへ旅立つことになります。

 

ドラマではわかりづらい、ソルが剣を握るようになった理由や、ヨムが刺客に立ち向かえなかった事情などの理解へつながれば幸いです。

 

自分に美しい名前をつけてくれた、”人生においてただ一人の主人”ヨム。

幼いころから慕い、思いを寄せたヨムのために人生を全うしたソルの心情が、多くの方々に伝わりますように。

 

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